二ツ目の会・勉強会という楽しみ方
寄席の定席は3,000円台。決して高くはありませんが、「まず一度聴いてみたい」という段階では、もう少し軽い入口があるとありがたいものです。そこで勧めたいのが、二ツ目クラスの若手が開く会です。安く、短く、席が近い。しかも東京にはこの種の会が驚くほどたくさんあります。
なぜ若手は自分で会を開くのか
二ツ目は、前座の修業を終えて一人前の落語家として動き始めた段階ですが、寄席の定席で毎日出番があるわけではありません。だから自分たちで会場を借り、仲間と組んで会を立ち上げます。「勉強会」「ネタ下ろしの会」と名のつく会が多いのはそのためで、新しい噺を初めて人前でかける場として使われます。
聴く側からすると、これは相当お得な話です。演者は本気で、木戸銭は安く、客席は数十人。同じ人が真打になってホールを満席にするようになってから「あの頃から聴いていた」と言えるのも、この層を追う楽しみです。
まず行きやすい四つの会
神田連雀亭のワンコイン寄席——木戸銭500円、11時30分開演、当日券のみ。神田・淡路町にある、若手のための小さな会場です。500円という金額は、迷う理由をほとんど消してくれます。同じ会場では昼席・夜席と一日に何度も会が開かれています。
黒門亭——落語協会の建物の二階で開かれる定期公演で、各回1,000円、当日券のみ。一部・二部の通し券も用意されています。二ツ目から真打まで幅広く出演し、四席前後をゆったり聴ける構成です。上野・御徒町エリアなので、鈴本演芸場と同じ日に回ることもできます。
新宿末廣亭の深夜寄席——21時開演、当日1,500円、当日券のみ。二ツ目クラスの四人が一席ずつ演じます。夜の予定が空いた日に、思い立って行ける寄席です。
らくごカフェ——神保町にある、落語専門のカフェ兼会場です。当サイトの掲載件数でも常に上位に来るほど会の数が多く、二人会や独演会がほぼ連日組まれています。木戸銭は2,000円台が中心。書店街の中にあるので、公演前後の時間の使い道にも困りません。
そのほかの小さな会場
都内には、このほかにも小さな会場が数多くあります。当サイトの掲載データで会の多い順に挙げると、お江戸上野広小路亭、シン・道楽亭、亀戸梅屋敷、スタジオFOUR、高田馬場ばばん場、お江戸両国亭、アートスペース兜座、墨亭——といったところです。いずれも数十席規模で、高座との距離が近い会場ばかりです。
これらの会場でどんな会が開かれているかは、高座マップから会場ごとに見られます。地図上で自宅や職場に近い会場を見つけて、そこの会を追いかけるという探し方は、意外に長続きします。
小さな会に行くときの注意
定席と違って、小さな会には注意点がいくつかあります。
- 当日券のみ/前売のみが会ごとに違います。前売が完売していると当日券が出ないこともあるので、公演ページの記載を確かめてください。
- 席数が少ないので、人気の演者の会は早く埋まります。
- 開演時刻がまちまちです。昼の11時台から夜の19時台まで幅があります。
- 飲食可否も会場ごとに違います。定席の感覚で持ち込むと困ることがあります。
いずれも公演ページの「情報元」リンクから主催者の案内を確認するのが確実です。